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PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
★ひとこと★
プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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先日、テン様より素敵な小説を頂いてしまいました!!きゃーv嬉しすぎです!!
個人的にだったので許可を頂き、掲載させて頂きますv
自分は甘くて暖かくて幸せな気分になりました。…フェリオv

本当にありがとうございました!

本編は「続き」へ…→






綺麗なもの(フェ風)











セフィーロ、そこは意思の強さが力になる世界。
二度の崩壊を乗り越えた世界は今、柔らかな陽射しと穏やかな時間が過ぎる、本当の意味での平和な世界となった。





「ここは本当に綺麗なところですわね…何度来てもちっとも飽きませんわ」




色彩豊かな花が咲き乱れる草原、フェリオが一度風を連れて来て以来二人の定番のデートスポットとなりつつある。その草原にある小高い丘の上の木陰で、持ってきたお茶を飲みながら風は笑みを浮かべた。




「そうだろう?ここで花見をしたらフウが絶対喜ぶと思ったんだ。街の視察から抜け出して探した甲斐が………っと。口が滑ったな」




「まあ…何度聞いてもどうやって此処を見つけたのか教えて下さらなかったのはそういう理由だったんですね?」




街の視察に行ってはこっそり抜け出し、良い場所はないかと地道に探して見つけたこの草原。頑張って探した場所をフウに褒められたせいか、つい口をついて出てしまった言葉に、フェリオは悪戯がバレた子どものような悔しげな表情を浮かべた。
隣に座る風は、そんなフェリオを見てくすくすと笑い出した。




「内緒にしてくれよ?視察抜け出してるってバレたら怒られる」




「仕方ありませんわね。この花畑に免じて、聞かなかったことにしますわ」




頼む、と顔の前で手を合わせるフェリオのお願いを断れる訳もなく、仕方ないと言いながらも何処か楽しげに可愛らしい悪事の片棒を担いだ。






「でも、本当に綺麗ですわね…。いつか本で『思い出の美しさは永遠に色褪せることはない。故に散ってしまった花の幻に優る花はない』という一節を読んだことがあります。その時は納得できたのですが、今こうしていると優劣をつけることなんてできないと思いますわ」




「…なるほどな。確かに思い出は綺麗だし、ここの花も負けてない」




昔の記憶を辿るように、遠くを見つめながら言葉を紡ぐ風の横顔を見ながらフェリオも頷く。




「でも、損をしてると思う」



「?…損、ですか?」




フェリオの考えがいまいち解らず、風は首をかしげてフェリオを見つめた。



「ああ、損してる。何も綺麗なものは思い出や花ばかりじゃない。木や鳥だって綺麗だし、人が何かを一生懸命頑張ってる姿、目に見えないものだって綺麗だと俺は思う」



今座っている木陰を作っている木、その木の上でさえずる鳥たち。セフィーロを思い戦った魔法騎士、セフィーロの復興を望み力を尽くした人々、そして、そんな人々の目に見えない絆。




数えだしたらキリがないというフェリオの表情に一国の王子としての凛々しさを見つけ、風は隣の思い人の逞しさに改めて感じ、頬を染めて笑みを浮かべた。



「……でも、一番美しいのはソレだ」



「え?」




またもやフェリオの考えが解らず首をかしげる風を見て、フェリオは悪戯な笑みを浮かべた。そして、ぐいっと風を自らの方へ引き寄せて腕の中に閉じ込めると、そっと額に口付けを落として囁いた。








「愛しい女の…フウの笑顔より美しいものなんてないよ」

END
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