PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
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華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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2007年クリスマス企画 『S4』レイアース第七弾です。
フェ風パラレル「月夜に舞い降りた天使」の続編になります。
こちらをご覧になってから読まれる事をお勧めします。
大変大変お待たせ致しました!!!!
もうクリスマスとかふざけんな、って感じです。
てわけでただの『S4』。って、全然ショートじゃないし(ガクッ
レイアース第六弾の続きとなっています。フェ風。
最終回。練りすぎて良く訳がわからなくなりました。でも甘くしたつもりです。
色々つっこみ所満載ですが、笑ってごまかして下さいませ;
フェ風パラレル「月夜に舞い降りた天使」の続編になります。
こちらをご覧になってから読まれる事をお勧めします。
大変大変お待たせ致しました!!!!
もうクリスマスとかふざけんな、って感じです。
てわけでただの『S4』。って、全然ショートじゃないし(ガクッ
レイアース第六弾の続きとなっています。フェ風。
最終回。練りすぎて良く訳がわからなくなりました。でも甘くしたつもりです。
色々つっこみ所満載ですが、笑ってごまかして下さいませ;
7.きみの温かさを知る
「フウ!」
その声は白い息と共に吐いては消える。
もしかしたら今呼ぶべき名はクロなのかもしれないと思いながらもフェリオは携帯を片手にマンションの周囲を探した。
女性がこんな遅くに夜道を歩くのは危険だ。
それが猫であっても、危険な事に変わりはない。
握りしめた携帯電話から、彼女の声が聞こえてくる事はないとわかっていても。
一時間ほど経った。
フェリオはフウが帰っている事を願いながら自宅へと向かう。
『嫌いです。』
フウが別れ際に発した一言。悲しそうな顔でいつもより低い声。
その姿が何度も何度もフェリオの脳裏を過ぎった。
-当たり前、だよな。
ウソを一つ付けば、そのウソを隠すためにまたウソを付かなくてはいけない。
そうして出来心でついたウソは次第に深さと大きさを増し、取り返しの付かない事になる。
フウの存在については、もっと早くから考えなくてはいけなかった。
彼女はペットではない。俺達と同じヒトで、考えも持っていてそれを言葉に出来る。
だからこそ話し合わなければならなかった。なのに…。
彼女が自分のそばにいる、いてくれる。それが本当に幸せで、浮かれていたのだ。
フウを悲しませてしまった。
彼女に愛想つかされ、離れる事になったとしても、せめて一言、謝りたい。
フェリオがマンションの入り口にさしかかった時、どこからか僅かな物音がした。気になって足を止め、息を潜めてその音源を探した。
…ゃー
にゃー…
猫だ。
フウが出て行った時の姿から連想される鳴き声に、フェリオは声のしたマンションの裏にある自転車置き場の方へ走った。
普段から薄暗いそこはいつにも増して闇の世界を漂わせていた。
並べられた自転車の中から感じる生き物の気配。ぼうっと浮かび上がるそれは自転車のサドルにちょこんと座り、後ろで長いしっぽをはためかせている。やはり猫だ。
猫の座っているのは滅多に乗らないフェリオの自転車。そういえば少し前にフウを後ろに乗せて走った事があったな、と思いながらフェリオはゆっくりとその猫に近づいてみる。
揺れていた尾が止まったのを見て、3メートルほど距離を取った所で歩みを止めた。
モノクロの空間、もう自分の服の色すらよくわからない状態の中でこちらを見つめるガラス玉の様な瞳が一組。
「…フウ」
フェリオが意を決して声をかけた。
にゃぁー…。
「……まだ怒ってるの…か。」猫を前に、そう肯定したように問うフェリオ。
……-
フェリオは手にあった携帯電話を上着のポケットにしまい、その瞳を見つめた。
「…お前がこの世界にいる事がどういう事なのか、ちゃんと考えいなかった。」
小さくため息をついてそっと空を見上げる。
「故郷を、捨てたんだよな…。居心地の良い場所を離れてまでここにいる事を選んでくれた。俺の願いを叶えるために。」
-一緒に、いてほしいー
「でもそこにお前の心はあるのか?俺の…一方的な感情だけなんじゃな-」
「そんな事はないです。」
突然の声にフェリオは今来た道の方を勢いよく振り返った。そこには先ほどまで探していた女性の姿が。
「フウ!? …なら、さっきのは…」
フェリオが先程の猫を振り返り見ると、サドルからしなやかに体を伸ばして飛び降り、二人の横を何事もなかったかのように通り過ぎると闇夜に消えた。
フェリオの横を通り過ぎる時、一瞬だけ確認できたその猫の瞳の色は、青色だった。
人違いならぬ、猫違い。しかも後ろに探していた本人がいたという始末。フェリオは恥ずかしさとショックのあまり、片手で瞳を覆ってしまった。
そんなフェリオの様子に風は自分の左手を頬に当てて、ほぅ、とわざとらしくため息をついた。
「クロとして約二ヶ月間も一緒に生活していましたのに、間違えられて残念ですわ。」
「なっ、それはフウが…―」
猫の姿に戻る事が出来るとは思いもしなかった、そう言い訳をしそうになる口をフェリオは自らつぐむ。
フェリオは深く息を吸った後、フウに近づいた。
近すぎず遠すぎない、二人の瞳が確認出来るほどの距離。
しばしの沈黙。より一層、寒く感じる。
「ごめん。」
ふわっと広がった白い息と同時に出た言葉。
そのままフェリオが腰を曲げて大きく頭を下げた。
「嘘をついて、フウを傷つけた。本当に…ごめん。」
フウはその様子に驚いて目を見開いた。
しかしすぐに表情を戻して瞼を伏せる。
「…貴方といると毎日が驚きの連続ですわ。」
フウの言葉にえ、とフェリオは顔を上げると、彼女は優しく微笑み、すぐに真剣な表情へと変わった。
「私の方こそ、酷い事を言って飛び出してしまって…すみませんでした。」
今度はフウが深々と頭を下げる。
自分自身の勝手な言動を言葉にしたら、改めて情けなくなってしまった。
先ほどまでなんでもなかったコンビニ袋が酷く重い。
フウは唇を噛みしめて泣きそうになるのを堪えた。
目の前に下げられたフウの頭にフェリオはそっと手を乗せて撫でた。
ふわっとした優しい感触。闇の中でその金色の髪だけが色彩を帯びている、そんな感覚。
「無事でよかった。部屋に戻ろう。」
フウが顔を上げ終わる前にフェリオは袋ごとフウの手を握って、来た道へと向きを変えた。
突然手を引かれてフウは驚き、フェリオの肩に頬が当たる。
フェリオはその距離を保つかのようにフウの手をぎゅっと握ると、自分を見上げるフウに困り顔を作った。
「夕飯の片付けがまだ残ってるからな。」
「ふふ、そうですね。」
フェリオとの会話と手のぬくもりが、フウの冷え切った身体と心を暖めてくれるのを感じた。
「さっきのはどういう意味なんだ?」
暖まり始めた部屋のキッチンで二人は流し場を前に並んでいた。
海達の訪問でいつもより多くなった食器をフウが丁寧に洗っている。隣りで流し終わった皿を受け取り、布巾で拭いて棚に戻すのがフェリオだ。
全てしまい終わった所でフェリオが思い出したかのようにフウにそう問う。
「さっき…とは?」フウは泡がついた流し場を拭きながらフェリオを見て首を傾げた。
「俺には驚かされてばかりだ、って言っていただろう。」
「ええ。」
「…覚えがないんだが……。」
最後にさっと手を洗って流水を止めたフウにフェリオは傍にあったハンドタオルを差し出す。フウは、ありがとうございます。と笑顔で受け取り、濡れた手を拭いた。
「貴方の言動がすべて計算の上のものだったとしたら、私はとっくにここから離れているでしょうね。」くすくすっと笑うフウをフェリオはムッと睨むと、腕を軽く組んでフウの正面に位置する壁にもたれかかった。
「…俺が今、なんの計算なしでお前を繋ぎ止められているなら、俺は自分を尊敬するよ。」
「でも、すべてではないのでしょう?」
フウの策士的な笑顔に押されつつもフェリオは答えなかった。そんな様子にフウはくすり、と笑って、それからスカートの上で両手で挟んだままになっているタオルに視線を落とした。
「…今まで私の周りには、そういう人ばかりでした。城の中で働く者はみな、二言目には国のため、国を愛する民のため。そして出来上がったものが、計算された会話と上辺だけの寂しい関係です。」
王に仕える大臣、侍女、料理人や庭師とでさえもそんな知人関係。
人間不信で感情が乏しくなってもおかしくない所だった。
「なので驚いたんです。素直に感情を表現する貴方に。」
「素直?俺が?」
ええ。と顔を上げて隣りにいるフェリオに微笑んだ。
「それにとても優しいですよね。」
突然の褒め言葉にフェリオは赤くなった。
「お、お前こそ、素直に気持ちを声にしているじゃないかっ。」
フェリオが早口でそう言うと、フウがはっとして自分の口元を片手で押さえた。それから、かあぁっと顔を赤くして小さくため息をついた。
「…ですから、こんな自分にも…驚いているんです…。」
俯いてフウの横顔が髪で隠れる。顔の輪郭がすべて隠れてしまう前に、フェリオは頬に自分の手を滑り込ませた。
-時として衝動的な言葉は、他人を傷つけてしまい、大惨事を招いてしまう原因になる。その事を知ってしまったフウは幼くして感情を抑え、生活してきたんだろう。
「…フェリオさん。」
聞いてほしい、といった呼び方に「なに?」とフェリオが問いかけた。
「私はまだ心を与えられたばかりの人形の様ですが、これからも傍にいて頂けますか?」
フェリオは驚いて目を見開いた。フウの少しオーバーな例えに一度小さく笑うと、それから頬にある手はそのままに、もう片方の手でフウの肩に手を回し、引き寄せて抱きしめた。
「お前の感情だったらどんなものでも受け止めるよ。」
-こうして一歩ずつ、距離を縮めていこう。二人で。
fin
=========
年をまたぐほど長い間お付き合い頂き、ありがとうございました。
また番外編がかけたらいいですvパラレル楽しっ!(明らかに自己満)
もしよければ、ご感想お待ちしています。
「フウ!」
その声は白い息と共に吐いては消える。
もしかしたら今呼ぶべき名はクロなのかもしれないと思いながらもフェリオは携帯を片手にマンションの周囲を探した。
女性がこんな遅くに夜道を歩くのは危険だ。
それが猫であっても、危険な事に変わりはない。
握りしめた携帯電話から、彼女の声が聞こえてくる事はないとわかっていても。
一時間ほど経った。
フェリオはフウが帰っている事を願いながら自宅へと向かう。
『嫌いです。』
フウが別れ際に発した一言。悲しそうな顔でいつもより低い声。
その姿が何度も何度もフェリオの脳裏を過ぎった。
-当たり前、だよな。
ウソを一つ付けば、そのウソを隠すためにまたウソを付かなくてはいけない。
そうして出来心でついたウソは次第に深さと大きさを増し、取り返しの付かない事になる。
フウの存在については、もっと早くから考えなくてはいけなかった。
彼女はペットではない。俺達と同じヒトで、考えも持っていてそれを言葉に出来る。
だからこそ話し合わなければならなかった。なのに…。
彼女が自分のそばにいる、いてくれる。それが本当に幸せで、浮かれていたのだ。
フウを悲しませてしまった。
彼女に愛想つかされ、離れる事になったとしても、せめて一言、謝りたい。
フェリオがマンションの入り口にさしかかった時、どこからか僅かな物音がした。気になって足を止め、息を潜めてその音源を探した。
…ゃー
にゃー…
猫だ。
フウが出て行った時の姿から連想される鳴き声に、フェリオは声のしたマンションの裏にある自転車置き場の方へ走った。
普段から薄暗いそこはいつにも増して闇の世界を漂わせていた。
並べられた自転車の中から感じる生き物の気配。ぼうっと浮かび上がるそれは自転車のサドルにちょこんと座り、後ろで長いしっぽをはためかせている。やはり猫だ。
猫の座っているのは滅多に乗らないフェリオの自転車。そういえば少し前にフウを後ろに乗せて走った事があったな、と思いながらフェリオはゆっくりとその猫に近づいてみる。
揺れていた尾が止まったのを見て、3メートルほど距離を取った所で歩みを止めた。
モノクロの空間、もう自分の服の色すらよくわからない状態の中でこちらを見つめるガラス玉の様な瞳が一組。
「…フウ」
フェリオが意を決して声をかけた。
にゃぁー…。
「……まだ怒ってるの…か。」猫を前に、そう肯定したように問うフェリオ。
……-
フェリオは手にあった携帯電話を上着のポケットにしまい、その瞳を見つめた。
「…お前がこの世界にいる事がどういう事なのか、ちゃんと考えいなかった。」
小さくため息をついてそっと空を見上げる。
「故郷を、捨てたんだよな…。居心地の良い場所を離れてまでここにいる事を選んでくれた。俺の願いを叶えるために。」
-一緒に、いてほしいー
「でもそこにお前の心はあるのか?俺の…一方的な感情だけなんじゃな-」
「そんな事はないです。」
突然の声にフェリオは今来た道の方を勢いよく振り返った。そこには先ほどまで探していた女性の姿が。
「フウ!? …なら、さっきのは…」
フェリオが先程の猫を振り返り見ると、サドルからしなやかに体を伸ばして飛び降り、二人の横を何事もなかったかのように通り過ぎると闇夜に消えた。
フェリオの横を通り過ぎる時、一瞬だけ確認できたその猫の瞳の色は、青色だった。
人違いならぬ、猫違い。しかも後ろに探していた本人がいたという始末。フェリオは恥ずかしさとショックのあまり、片手で瞳を覆ってしまった。
そんなフェリオの様子に風は自分の左手を頬に当てて、ほぅ、とわざとらしくため息をついた。
「クロとして約二ヶ月間も一緒に生活していましたのに、間違えられて残念ですわ。」
「なっ、それはフウが…―」
猫の姿に戻る事が出来るとは思いもしなかった、そう言い訳をしそうになる口をフェリオは自らつぐむ。
フェリオは深く息を吸った後、フウに近づいた。
近すぎず遠すぎない、二人の瞳が確認出来るほどの距離。
しばしの沈黙。より一層、寒く感じる。
「ごめん。」
ふわっと広がった白い息と同時に出た言葉。
そのままフェリオが腰を曲げて大きく頭を下げた。
「嘘をついて、フウを傷つけた。本当に…ごめん。」
フウはその様子に驚いて目を見開いた。
しかしすぐに表情を戻して瞼を伏せる。
「…貴方といると毎日が驚きの連続ですわ。」
フウの言葉にえ、とフェリオは顔を上げると、彼女は優しく微笑み、すぐに真剣な表情へと変わった。
「私の方こそ、酷い事を言って飛び出してしまって…すみませんでした。」
今度はフウが深々と頭を下げる。
自分自身の勝手な言動を言葉にしたら、改めて情けなくなってしまった。
先ほどまでなんでもなかったコンビニ袋が酷く重い。
フウは唇を噛みしめて泣きそうになるのを堪えた。
目の前に下げられたフウの頭にフェリオはそっと手を乗せて撫でた。
ふわっとした優しい感触。闇の中でその金色の髪だけが色彩を帯びている、そんな感覚。
「無事でよかった。部屋に戻ろう。」
フウが顔を上げ終わる前にフェリオは袋ごとフウの手を握って、来た道へと向きを変えた。
突然手を引かれてフウは驚き、フェリオの肩に頬が当たる。
フェリオはその距離を保つかのようにフウの手をぎゅっと握ると、自分を見上げるフウに困り顔を作った。
「夕飯の片付けがまだ残ってるからな。」
「ふふ、そうですね。」
フェリオとの会話と手のぬくもりが、フウの冷え切った身体と心を暖めてくれるのを感じた。
「さっきのはどういう意味なんだ?」
暖まり始めた部屋のキッチンで二人は流し場を前に並んでいた。
海達の訪問でいつもより多くなった食器をフウが丁寧に洗っている。隣りで流し終わった皿を受け取り、布巾で拭いて棚に戻すのがフェリオだ。
全てしまい終わった所でフェリオが思い出したかのようにフウにそう問う。
「さっき…とは?」フウは泡がついた流し場を拭きながらフェリオを見て首を傾げた。
「俺には驚かされてばかりだ、って言っていただろう。」
「ええ。」
「…覚えがないんだが……。」
最後にさっと手を洗って流水を止めたフウにフェリオは傍にあったハンドタオルを差し出す。フウは、ありがとうございます。と笑顔で受け取り、濡れた手を拭いた。
「貴方の言動がすべて計算の上のものだったとしたら、私はとっくにここから離れているでしょうね。」くすくすっと笑うフウをフェリオはムッと睨むと、腕を軽く組んでフウの正面に位置する壁にもたれかかった。
「…俺が今、なんの計算なしでお前を繋ぎ止められているなら、俺は自分を尊敬するよ。」
「でも、すべてではないのでしょう?」
フウの策士的な笑顔に押されつつもフェリオは答えなかった。そんな様子にフウはくすり、と笑って、それからスカートの上で両手で挟んだままになっているタオルに視線を落とした。
「…今まで私の周りには、そういう人ばかりでした。城の中で働く者はみな、二言目には国のため、国を愛する民のため。そして出来上がったものが、計算された会話と上辺だけの寂しい関係です。」
王に仕える大臣、侍女、料理人や庭師とでさえもそんな知人関係。
人間不信で感情が乏しくなってもおかしくない所だった。
「なので驚いたんです。素直に感情を表現する貴方に。」
「素直?俺が?」
ええ。と顔を上げて隣りにいるフェリオに微笑んだ。
「それにとても優しいですよね。」
突然の褒め言葉にフェリオは赤くなった。
「お、お前こそ、素直に気持ちを声にしているじゃないかっ。」
フェリオが早口でそう言うと、フウがはっとして自分の口元を片手で押さえた。それから、かあぁっと顔を赤くして小さくため息をついた。
「…ですから、こんな自分にも…驚いているんです…。」
俯いてフウの横顔が髪で隠れる。顔の輪郭がすべて隠れてしまう前に、フェリオは頬に自分の手を滑り込ませた。
-時として衝動的な言葉は、他人を傷つけてしまい、大惨事を招いてしまう原因になる。その事を知ってしまったフウは幼くして感情を抑え、生活してきたんだろう。
「…フェリオさん。」
聞いてほしい、といった呼び方に「なに?」とフェリオが問いかけた。
「私はまだ心を与えられたばかりの人形の様ですが、これからも傍にいて頂けますか?」
フェリオは驚いて目を見開いた。フウの少しオーバーな例えに一度小さく笑うと、それから頬にある手はそのままに、もう片方の手でフウの肩に手を回し、引き寄せて抱きしめた。
「お前の感情だったらどんなものでも受け止めるよ。」
-こうして一歩ずつ、距離を縮めていこう。二人で。
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年をまたぐほど長い間お付き合い頂き、ありがとうございました。
また番外編がかけたらいいですvパラレル楽しっ!(明らかに自己満)
もしよければ、ご感想お待ちしています。
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