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PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
★ひとこと★
プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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*この話には、華乃都の勝手な設定が組み込まれています。
いわゆるオリジナルです。本当にご注意下さい!!!











キェェェェ―――

魔物の悲鳴、次いでドォォンという地響き。

真っ二つになった魔物の傍らでフェリオがふぅ、と溜め息をついて額の汗を拭った。

「ラファーガ、こっちは終わったぞー」
口の横に手を置いて、少し大きく遠くにいるラファーガを呼ぶ。


フェリオの視線の先では、まだ魔物との戦闘が続いていた。
木々が激しく揺れている。
と、しばらくして、ザンッと大きく風を強く切る様な音が鳴り、魔物の悲鳴が聞こえ、先程と同じ様な地響きがした。



終わったか?とフェリオは首を傾げると、砂煙の中から金髪の青年が現れた。
愛剣についた魔物の血を振り払い、鞘に収める姿は、独学で学んだ自分とは違って、様になっているなぁ、とフェリオは、少し悔しく思う。

「王子、怪我は?」
ラファーガは低く、しかし優しくフェリオに声をかける。
「見ればわかるだろ~?」
それに引き換え、フェリオは、はぁとため息を付き、しかめっ面になって両手を横に広げる。
フェリオの服には傷一つなく、砂塵で少し汚れている程度。その姿にラファーガは、ほっと胸を撫で下ろした。


いくら剣の腕が抜群だといっても彼は一国の王子。
自分は友人といっても、傍から見れば護衛という立場だ。心配するに決まっている。

しかしフェリオにそれは少し鬱陶しかった。
だからあんな答え方しか出来ない。

でも、そんな自分が情けなくて・・・。


フェリオは自己嫌悪して、頭を掻いた。
百面相をしているフェリオの横で、ラファーガは頭にハテナマークを浮かべ、懐にあった懐中時計の様なものを見て言った。

「王子、そろそろヒカル達が来る頃では?」
はっと我に返ったかの様に顔を上げたフェリオは、そうだった!と笑顔を作った。
-フウが来る!

「そうだな。城に帰ろう!」
そう言うと、向きを変え、元気にもと来た道を戻り始めた。



そんなフェリオの姿にラファーガはふっと笑みを浮かべ、少し離れてマイペースに後をついていく。




フェリオが城で王子としての仕事以外にこの様に狩りをするのは、ひとえに剣の修行の為ではない。
平和なセフィーロを作る。そして、以前の美しかった頃のセフィーロを彼女達に見せたいという強い願いが彼を突き動かしている。
フェリオの願いと心の強さに、彼がこの国の王子で本当に良かったとラファーガは改めて感じた。


と、少し離れた所で木々がざわめいた。
フェリオが、え、と言った瞬間、突然小型の蛇に、足が生えた様な魔物がフェリオの頭部目掛けて襲いかかった。

「!!」
ラファーガの顔が青ざめる。
すばやく剣を抜き、フェリオの首に絡みつく魔物を斬った。


「っ・・・!!」
首から流れる血は、純白のマントを赤く染めていく。


「王子っ!!!」















羽根の生えた魚の形をした精獣、フューラが城の入り口で3人の少女を背から降ろした。

「いつもありがとう、フューラ♪」

光が笑いながらフューラの顔に頬をすり寄せるとフューラはキュイィと嬉しそうに鳴く。
しばらくして、フューラは姿を消した。

フューラの主人はクレフだ。だから彼の所に戻ったのだろう。



「…あら?今日はお出迎えなし?」


しん、と静まりかえった廊下に海が首を傾げる。
普段は誰かしら自分達を出迎えてくれているが、今日は誰もいない。

「きっと皆さんお忙しいのですわ。さ、参りましょう。」

風の言葉にそうね、と海は微笑み、三人はクレフ達のいる大広間に向かった。







「はろー♪ 今日もお菓子、作ってきたわよー!!」
海が真っ先に大広間のドアを開けて中に入った。

すると、中にはクレフが一人、静かにその身を置いていた。


「え?・・・クレフだけ?」
キョトンとする海と、後ろで光と風が頭上にハテナマークを浮かべている。

クレフは彼女達の訪問に特に驚いた様子も無く、入り口に立ち尽くす3人を見つめて、クレフはそっと近づいた。

「フウ、落ち着いてきいてほしい。」

3人の、というより風の前に立ち、見上げた。
クレフの表情に風は息を呑む。
その表情は真剣で、良い話をしない時のもので・・・。

風はクレフと目線を合わせる為に、しゃがみ込む。


―――嫌な予感がした。



自分を見つめる少年の様な男性に、恐る恐る問いかけた。

「何か・・・あったのですか?」

自分だけに向けられるクレフの視線に、風の脳裏には、先程からずっと一人の青年の顔が浮かんでいた。


「・・・実は・・・」







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