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プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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続↓
気がつくと、俺は中庭に来ていた。
ふわりとした緑の匂いが鼻をくすぐる。
…心地よい。
「フェリオ?」
突然呼ばれた自分の名に、驚いて、はっと声の方を見た。
中庭にある泉の麓、月明りが光りの帯の様に差し込むそこで、声の主が目を丸くしてこちらを見つめていた。
「フウ…」
しなやかにたたずむその姿にフェリオの鼓動が高鳴る。
フェリオは風の元へ歩みを進めた。
「…今日は、良くお会いしますね。」
目の前で立ち止まったフェリオを風は見上げて、優しく微笑む。
手を伸ばせば届く距離にいる愛しい人への感情を押さえて、フェリオは冷静に振る舞い始めた。
「…こんな時間に一人でどうした?」
すると風は、真剣な表情でフェリオを見つめ、言った。
「貴方を待っていた…と言ったら、笑いますか?」
「え?」
しばらくの沈黙の後、風がニッコリ笑い、冗談です、と自分自身の手を口許に寄せた。
「けれど、来てくれて嬉しいです。」
薄暗い為に、風の表情がはっきりわからない。
でも…さっきよりフウの頬が赤いと感じるのは、気のせいだろうか……
フェリオは泉に視線をずらした。
風で落ちた葉が、水面に波紋を作る。
その跡がすっと消えた後、フェリオが口を開いた。
「…考え事をしながら歩いていたら、ここに来てしまったんだ。」
「考え事、ですか?」
フェリオは、再び風をじっと見つめた後、風の正面になる様に体の位置を替えた。
「なあ、フウ…」
「はい」
柔らかい笑顔で返事をする風。
それに相反して、フェリオの表情は硬くて…。
一度大きく深呼吸をしたのち、恐る恐る風に問うた。
「…俺の事…どう、思っているんだ?」
フェリオの言葉に驚いて、風から笑顔が消えた。
「…貴方は?」
答えがではなく、逆に問い返されて、フェリオは、え?と目を見開いた。
風は、フェリオの手を取った。
フェリオの手の中にはオーブが握られている。
風はフェリオの手を自分の胸の高さまで上げると、両手でふわりと包み込んだ。
「…フェリオは、私の事、どうお思いなのですか?」
そう問い、自分を見つめる風の瞳が、彼女の思いのすべてを物語っている気がしてならなかった。
そして思う。
今日一日悩んでいた俺がバカみたいだ…と。
フェリオは空いている手を腰にあてて大きくハァとため息をつく。
まるでさっきまでの弱い自分を吐き出すかの様に。
フェリオのため息に、悪い答えなのだと判断した風は、悲しそうに瞳を閉じて俯いた。
自分は自惚れていたのだろうか…
すると突然風の体が引き寄せられる。
えっ…と顔を上げるとフェリオの顔が近づいて、風の左頬に唇が触れた。
「ふぇ、フェリオ!?」
一瞬の事に風は、かぁぁっと赤面して、口許を押さえる。
「好きじゃなきゃ、こんな事しない。」
フェリオは風をぎゅっと抱き締めた。
そうだ。
初めは、ただ『守りたい』と思った。だからオーブを渡した。
フウの存在が確認出来る様に。
でも、助けて助けられて、ふと一人になった時に気付いた事がある。
彼女の側で、
彼女を思う事で、
強くなっている自分がいると。
その時の強さの根源が恋だと気付くのが、最初の戦いでフウが『東京』に戻った後…
という、救い様もない話なのだが…。
「フェリオ?」
無言のまま、抱き締められている事に風は腕の中で首を傾げた。
「ありがとう」
「え?」
「側にいてくれて…ありがとう、フウ。」
君がいたから、俺は強くなれた。
好きだ。
本当に、本当に……。
~fin~
オマケ↓
「で、フウの答えは?」
フェリオは、ニッと笑って風を見た。
イタズラな笑顔に、もう、と風は赤い頬を膨らませる。
「あんな事しておいて、まだ知りたいんですか?」
「言葉って大事だぞ。世の中、想いだけじゃ、伝わらないものの方が、多いんだ。」
「…急に規模が大きくなりましたね。」
突然妙な事を言い出したフェリオに素早く突っ込みを入れる風。
端からみれば、夫婦漫才の様である。
フェリオは彼女の答えを予想していたかの様に、くくっと笑うと、風の髪に触れて「そういうなよ。」と言った。
フェリオの先ほどまでとは少し違うの笑顔に、風はドキッとした。
無邪気で少年の様な笑顔ではない。
今は、優しくて、どこか頼もしくも感じられるその表情に、もう彼は男性なんだ…と風は確信したのだ。
フェリオの笑顔で高鳴る胸を、風はぎゅっと手で押さえた。
…表情一つで私の心をこんなにも熱くさせる貴方は、本当に罪作りな人ですね。
風は瞳を閉じてふぅ、と息を吐いた。
顔を上げて再度フェリオを見つめると、赤い顔のまま、口を開く。
「…一度しか言いませんよ?」
風はフェリオの腕の間から手を滑り込ませると、腰に回してぎゅっと体を寄せた。
「貴方が好きです。」
~fin~
ふわりとした緑の匂いが鼻をくすぐる。
…心地よい。
「フェリオ?」
突然呼ばれた自分の名に、驚いて、はっと声の方を見た。
中庭にある泉の麓、月明りが光りの帯の様に差し込むそこで、声の主が目を丸くしてこちらを見つめていた。
「フウ…」
しなやかにたたずむその姿にフェリオの鼓動が高鳴る。
フェリオは風の元へ歩みを進めた。
「…今日は、良くお会いしますね。」
目の前で立ち止まったフェリオを風は見上げて、優しく微笑む。
手を伸ばせば届く距離にいる愛しい人への感情を押さえて、フェリオは冷静に振る舞い始めた。
「…こんな時間に一人でどうした?」
すると風は、真剣な表情でフェリオを見つめ、言った。
「貴方を待っていた…と言ったら、笑いますか?」
「え?」
しばらくの沈黙の後、風がニッコリ笑い、冗談です、と自分自身の手を口許に寄せた。
「けれど、来てくれて嬉しいです。」
薄暗い為に、風の表情がはっきりわからない。
でも…さっきよりフウの頬が赤いと感じるのは、気のせいだろうか……
フェリオは泉に視線をずらした。
風で落ちた葉が、水面に波紋を作る。
その跡がすっと消えた後、フェリオが口を開いた。
「…考え事をしながら歩いていたら、ここに来てしまったんだ。」
「考え事、ですか?」
フェリオは、再び風をじっと見つめた後、風の正面になる様に体の位置を替えた。
「なあ、フウ…」
「はい」
柔らかい笑顔で返事をする風。
それに相反して、フェリオの表情は硬くて…。
一度大きく深呼吸をしたのち、恐る恐る風に問うた。
「…俺の事…どう、思っているんだ?」
フェリオの言葉に驚いて、風から笑顔が消えた。
「…貴方は?」
答えがではなく、逆に問い返されて、フェリオは、え?と目を見開いた。
風は、フェリオの手を取った。
フェリオの手の中にはオーブが握られている。
風はフェリオの手を自分の胸の高さまで上げると、両手でふわりと包み込んだ。
「…フェリオは、私の事、どうお思いなのですか?」
そう問い、自分を見つめる風の瞳が、彼女の思いのすべてを物語っている気がしてならなかった。
そして思う。
今日一日悩んでいた俺がバカみたいだ…と。
フェリオは空いている手を腰にあてて大きくハァとため息をつく。
まるでさっきまでの弱い自分を吐き出すかの様に。
フェリオのため息に、悪い答えなのだと判断した風は、悲しそうに瞳を閉じて俯いた。
自分は自惚れていたのだろうか…
すると突然風の体が引き寄せられる。
えっ…と顔を上げるとフェリオの顔が近づいて、風の左頬に唇が触れた。
「ふぇ、フェリオ!?」
一瞬の事に風は、かぁぁっと赤面して、口許を押さえる。
「好きじゃなきゃ、こんな事しない。」
フェリオは風をぎゅっと抱き締めた。
そうだ。
初めは、ただ『守りたい』と思った。だからオーブを渡した。
フウの存在が確認出来る様に。
でも、助けて助けられて、ふと一人になった時に気付いた事がある。
彼女の側で、
彼女を思う事で、
強くなっている自分がいると。
その時の強さの根源が恋だと気付くのが、最初の戦いでフウが『東京』に戻った後…
という、救い様もない話なのだが…。
「フェリオ?」
無言のまま、抱き締められている事に風は腕の中で首を傾げた。
「ありがとう」
「え?」
「側にいてくれて…ありがとう、フウ。」
君がいたから、俺は強くなれた。
好きだ。
本当に、本当に……。
~fin~
オマケ↓
「で、フウの答えは?」
フェリオは、ニッと笑って風を見た。
イタズラな笑顔に、もう、と風は赤い頬を膨らませる。
「あんな事しておいて、まだ知りたいんですか?」
「言葉って大事だぞ。世の中、想いだけじゃ、伝わらないものの方が、多いんだ。」
「…急に規模が大きくなりましたね。」
突然妙な事を言い出したフェリオに素早く突っ込みを入れる風。
端からみれば、夫婦漫才の様である。
フェリオは彼女の答えを予想していたかの様に、くくっと笑うと、風の髪に触れて「そういうなよ。」と言った。
フェリオの先ほどまでとは少し違うの笑顔に、風はドキッとした。
無邪気で少年の様な笑顔ではない。
今は、優しくて、どこか頼もしくも感じられるその表情に、もう彼は男性なんだ…と風は確信したのだ。
フェリオの笑顔で高鳴る胸を、風はぎゅっと手で押さえた。
…表情一つで私の心をこんなにも熱くさせる貴方は、本当に罪作りな人ですね。
風は瞳を閉じてふぅ、と息を吐いた。
顔を上げて再度フェリオを見つめると、赤い顔のまま、口を開く。
「…一度しか言いませんよ?」
風はフェリオの腕の間から手を滑り込ませると、腰に回してぎゅっと体を寄せた。
「貴方が好きです。」
~fin~
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