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PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
★ひとこと★
プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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ずっと聞きたい事があった。

アイツが俺をどう思っているのかを…







「フウ!」
「あら、フェリオ。息を切らして…どうなさったんですか?」
マントをなびかせて走って来るフェリオに風が優しく問い掛けた。

フェリオは目の前で止まると、荒い呼吸を沈める為に胸を押さえ、小さく深呼吸をすると風をじっと見つめて言った。
「…あの…さ、…お前、俺の事、どう…―」

「風ちゃぁぁ~~ん!!」

フェリオの言葉を遮って聞こえてきた大声にフェリオはぎょっ、と後ろを振り返ってみる。

猛スピードで、しかも泣きながら駆けて来る光が、風に勢いよく抱き付いた。
「どうしよぉ~!ランティスからもらったペンダントがどこにもないのぉ~!」
「大変ですわ。では一緒に探しましょうか♪」
「ありがとぉ!」
涙をぐいっと腕で拭いて風を見上げた。

そんな光がとてもかわいくて、よしよし、と優しく光の頭を撫でると、フェリオを見た。

「・・・私に、何かご用でしたか?」
「あ、いや、なんでも…ない。」
「・・・では、失礼しますね。」
ペコリと会釈をして風は光と共に、部屋へ戻っていった。


「今日は一体なんなんだ…」


3人が、フウが、久しぶりにセフィーロに来た今日こそ、確かめなくてはと思っていた。




俺は以前、彼女に一度だけこの思いを伝えた事があった。
けれどそれは、3人がまだ、魔法騎士の旅の途中での事。
ザガートの手下であったカルディナから村を救う作戦の実行直前にした事だったから、一方的なものになってしまったんだ。

それから二度目の戦いも終わり、平和が訪れた。

やっと、各々が自分の事を考える余裕が出て来始めている。


俺もその内の一人。


フェリオは頭を掻いてはぁ、と大きく溜め息をついた。

「…いざとなると、なかなか難しいものだな。」


これで3回目。
今朝からフウに話そうとしては、何かしら邪魔が入った回数だ。


…仕方がない、今日は諦めて部屋で残りの仕事をするか…。
フェリオは足取り重く、自室に戻って歩き始めた。




テーブルにあるランプの火が揺れる。


フェリオはペンを持つ手を止め、傍らにあった分厚い本を閉じると、背も垂れに寄り掛かり、大きく伸びをした。


…思いの他、終わらせるのに時間がかかってたな…。

原因は…わかっている。
風の気持ちが気になって、ずっと頭から離れない。
フェリオは、すっと瞳を閉じた。


側にいない時程、彼女の姿がより一層思い浮かぶ。

ヒカル達と話している時の綺麗な横顔に、歌う様な笑い声。
ふいに俺を見つめる碧の瞳と、触れたくなる柔らかい金色の髪。そして、抱き締めると壊してしまいそうな…細い、体。



フェリオは突然、パンっと両手で自分の顔を叩いた。


「重症…だな。」
してはならない想像を始めようとしていた自分に呆れて、溜め息をつくと、フェリオは椅子を引いて立ち上がった。


この頭と、ほてった顔を冷やそう…

扉を開けて部屋を出る。
廊下は所々に小さな明かりが並ぶ程度で、薄暗く、少しひんやりしていた。

コツ…コツ…とフェリオの歩く音だけが響いている。




…こんなに誰かに執着するなんて、思ってもみなかった。


最初は同情だったのかもしれない。

右も左もわからないセフィーロという未知の世界へ、突然召喚された幼い少女達に。



ヒカルは、3人の中でも小柄で。
でも、一番剣の扱いには慣れていて、少し自分に似ているなというのが第一印象だった。

ウミは…ヒカルの保護者の様で、俺はひどく警戒されたのを覚えている。
でも、相手を大事に思う彼女の性格が、同姓にも異性にも慕われているんだな。


フェリオは、ふと立ち止まると、懐からオーブを取り出し、じっと見つめた。


…フウは?


俺は初め…沈黙の森には不釣り合いな彼女に、あれは時間の問題だなぁ…と酷い事を思った事を覚えている。
でも、実際に話して、頭が良い事が発覚した。
彼女がいなければ、ヒカルもウミ、もちろん俺も、沈黙の森からは抜けられなかっただろう。
そして、目の前でフウの仲間を思う心の強さを見た。


でも、それだけの事。


俺はなぜ風に惹かれたんだ……?







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