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PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
★ひとこと★
プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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6、2度目のキス(フェ風)




















それはただの自己嫌悪。


ガシャン

突然聞こえたガラスの割れる音に驚いて、フェリオは仕事の手を止めてその音がした方へ駆け寄った。

瀬戸物のコップと皿が風の足元に見るも無惨な姿で散らばっている。
「大丈夫か?ケガは…」
「平気です。お仕事の邪魔をしてしまってすみません。」
風はさらりと返事をしてしゃがみこみ、残骸を1枚1枚摘んで袋の中に入れ始めた。
「ばか、触るな。俺がやる。」
「これくらい一人で片付けられますわ。」
手を出そうと座ったフェリオの手を、風は言葉で掃った。
「……」
決して視線を合わせずに作業を続けようとする風の手首をフェリオはギュッと握った。
「何怒ってんだ?」
びくっと震えた風の心。フェリオと今日、初めて目が合った。
彼は怪訝な表情で風を見ている。
「なにも…」
「だったら、会えた時くらい…笑っていてくれ。」
真剣なフェリオの表情に風は、はっと息を飲んだ。
そしてポタリと涙が割れたグラスに落ちる…

―何かあったというわけではない。
ただ、日々少しずつ重ねてきた苛立ちがここにきて顔を出したのだ。
フェリオという存在の前ではその苛立ちを被うベールなど、事如く溶けて剥がれてしまう。
そんな自分に腹が立つのもまた事実。

「…ごめんなさい…」
フェリオは俯いて泣く風の手を取るとそっと覗き込むようにして唇を重ねた。

「喜びだけじゃなくて、怒りや哀しみも共有する。それが一緒にいるって事だろ。」
な?と優しく笑うフェリオに「はい」と頷いて微笑む風。

「やっぱりお前は笑っている方がずっといい。」


―そう言って笑った彼からの二度目のキスは仲直りのしるし。

fin

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