PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
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プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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3、小さな嘘(フェ風)
「その怪我はどうされたのですか!?」
驚いた顔をして、フウが俺の腕を掴んだ。
この右手に巻かれた包帯が痛々しく見えたのだろう。
「いや~さっきガキ共と遊んでいたらやられたんだ。」
はははっとふざけて笑った俺を見上げる君の瞳はとても真剣で。
「本当…に…?」
「なんで嘘つく必要があるんだ?」
「…貴方は優しいから。」
そう呟いて俺の胸に体を寄せたフウの声は、小さく掠れていた。
誰かが傷つく事を誰よりも恐れる君を手に入れた俺は無敵だ。
―こうして君が涙を浮かべるから安易に傷なんて作れなくなってしまう。
君のその揺るぎない想いが俺を強くする『糧』なんだ。
「今、治しますわ。」
フウは治癒魔法を唱える為に傷ついたこの右手をとった。
「待った。このままでいい。」
「え?」
「…自然に治るまで感じていたい痛みってのもあるんだよ。」
そう言い、右手を見て目を細めて意味深に笑っている俺にフウは首を傾げた。
「……何か良い事でもあったのですか?」
「まぁな。」
明日わかるさ、と左手でフウの手を握った。
―本当の怪我の理由を知ったら、やはり君は怒るだろうか。
それでも喜んで欲しいと願う俺の身勝手な心は今、形となってこの懐に隠れている。
必ずしも受け取ってもらえるなんて自惚れている訳ではないけれど、この不安と期待の入り交じった思いは明日まで閉まっておこう。
それが君についた小さな嘘。
―Happy birthday―
fin
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