PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
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プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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2月14日。
ハッピーバレンタインデー☆
「ほら。」
ヤマトは投げる様に太一にチョコを渡した。
「へへっ。サンキュー♪」
目線を合わせないヤマトに向かって、太一は満面の笑みを浮かべる。
「ヤマトのチョコは格別に旨いんだよなー♪」
ニコニコしながら、今年も手作りチョコが入っていると思われる箱を空けて、太一は驚きのあまり、固まってしまった。
中に入っていたのは5円チョコ。
しかもたった一つ。
「………」
ない頭で考え果てた太一は恐る恐る顔を上げた。
「…ヤマト。俺……またなんかした?」
また、という辺りが太一らしい。
「いや。」
平然と首を振るヤマトに太一は肩を落とした。
「……じゃあ…これは…―」
「それはオマケだ。」
「オマケ?」
「毎年チョコ渡すだけじゃつまらないだろ?だから、今日は俺の出来る『お前の欲しい物』をやるよ。」
ヤマトの計画に、太一は、ははっと笑ってバカだなぁ~と言わんばかりの表情を作って言った。
「そんなの決まってんじゃん。ヤマ…-」
「ソレはナシ、だ!!」
両手を広げ、唇を突き出しながら抱き付こうとする太一の顔を掴んで、ヤマトは怒鳴る。
えー…と不満がる太一は、すぐに「じゃあ」人差し指を立てた。
「ハーモニカ。」
「え?」
「ヤマトのハーモニカ、聞きたい。」
突然出て来た懐かしい単語に一瞬ヤマトは驚いたが、すぐに、わかった。と頷いてた。
「…ちょっと待ってろ。探して来る。」
どこ置いたかなぁ…と頭を掻き、呟きながらヤマトは自分の部屋に入った。
ハーモニカ。
なんで出て来たんだろう…。
そんな妙な事を考えていた太一の元に、意外と早くヤマトが戻ってきた。
ヤマトは自分の席に座る。
太一はヤマトの正面に座った。
音を確かめる様に何度か息を吹き込む。
ふわりと鳴った音に、ヤマトは目を丸くして驚き、それを見つめると、ふっと優しく笑みを浮かべた。
っ……
なんとも言えない彼の表情に、太一の胸がドキッと鳴った。
「…あんま期待すんなよ?」
そう瞳を上げて太一を見つめる顔は、またいつもの『ヤマト』だった。
目を伏せて、唇が再びそれを捕らえる。
懐かしいあの曲が部屋を満たし始めた。
心の奥が、どこかくすぐったいあの曲。
思い出のフタを開けた様な音色に、太一の心が震えた。
「太一?」
音が止まった事にも気付かず、ぼーっとしていた太一は、ヤマトの声で我に返った。
「…やっぱり、いいな。」
「……ああ、まだ壊れてなくてよかったよ。」
「ん~そうじゃなくて、『ヤマトが吹いた』からいいんだよ♪」
「! ……ばか。褒めてもなにも出ないぞ。」
言葉とは裏腹にヤマトの頬は赤い。
「はいはい。なぁ、そろそろ腹減らねぇ?」
もうとっくに陽は落ちている時間だ。
時間を確かめなくても太一の体内時計が夕食の時間を示した。
「…そうだな。じゃあなんか作るか。」
ヤマトはズボンのポケットにブルースハープをしまうと、立ち上がって冷蔵庫を開けた。
太一は座ったまま、机に肘をついてヤマトの後ろ姿を見つめていた。
「…なにも出ないんじゃなかったか?)」
ホント、素直じゃないなぁ~と、声に出して笑ってしまいそうになる衝動を押さえた。
水が流れる。
すぐにトントンと何かを切る音も聞こえて来た。
きっと数分後にはおいしい匂いがしてくるのだろう。
「なぁ太一、味噌と醤油どっちが…―」
ヤマトは振り返り、そう言いかけてやめて料理に戻った。
太一は机に伏せてすぅすぅと眠っていた。
夢の中ではきっと…
fin
ヤマトは投げる様に太一にチョコを渡した。
「へへっ。サンキュー♪」
目線を合わせないヤマトに向かって、太一は満面の笑みを浮かべる。
「ヤマトのチョコは格別に旨いんだよなー♪」
ニコニコしながら、今年も手作りチョコが入っていると思われる箱を空けて、太一は驚きのあまり、固まってしまった。
中に入っていたのは5円チョコ。
しかもたった一つ。
「………」
ない頭で考え果てた太一は恐る恐る顔を上げた。
「…ヤマト。俺……またなんかした?」
また、という辺りが太一らしい。
「いや。」
平然と首を振るヤマトに太一は肩を落とした。
「……じゃあ…これは…―」
「それはオマケだ。」
「オマケ?」
「毎年チョコ渡すだけじゃつまらないだろ?だから、今日は俺の出来る『お前の欲しい物』をやるよ。」
ヤマトの計画に、太一は、ははっと笑ってバカだなぁ~と言わんばかりの表情を作って言った。
「そんなの決まってんじゃん。ヤマ…-」
「ソレはナシ、だ!!」
両手を広げ、唇を突き出しながら抱き付こうとする太一の顔を掴んで、ヤマトは怒鳴る。
えー…と不満がる太一は、すぐに「じゃあ」人差し指を立てた。
「ハーモニカ。」
「え?」
「ヤマトのハーモニカ、聞きたい。」
突然出て来た懐かしい単語に一瞬ヤマトは驚いたが、すぐに、わかった。と頷いてた。
「…ちょっと待ってろ。探して来る。」
どこ置いたかなぁ…と頭を掻き、呟きながらヤマトは自分の部屋に入った。
ハーモニカ。
なんで出て来たんだろう…。
そんな妙な事を考えていた太一の元に、意外と早くヤマトが戻ってきた。
ヤマトは自分の席に座る。
太一はヤマトの正面に座った。
音を確かめる様に何度か息を吹き込む。
ふわりと鳴った音に、ヤマトは目を丸くして驚き、それを見つめると、ふっと優しく笑みを浮かべた。
っ……
なんとも言えない彼の表情に、太一の胸がドキッと鳴った。
「…あんま期待すんなよ?」
そう瞳を上げて太一を見つめる顔は、またいつもの『ヤマト』だった。
目を伏せて、唇が再びそれを捕らえる。
懐かしいあの曲が部屋を満たし始めた。
心の奥が、どこかくすぐったいあの曲。
思い出のフタを開けた様な音色に、太一の心が震えた。
「太一?」
音が止まった事にも気付かず、ぼーっとしていた太一は、ヤマトの声で我に返った。
「…やっぱり、いいな。」
「……ああ、まだ壊れてなくてよかったよ。」
「ん~そうじゃなくて、『ヤマトが吹いた』からいいんだよ♪」
「! ……ばか。褒めてもなにも出ないぞ。」
言葉とは裏腹にヤマトの頬は赤い。
「はいはい。なぁ、そろそろ腹減らねぇ?」
もうとっくに陽は落ちている時間だ。
時間を確かめなくても太一の体内時計が夕食の時間を示した。
「…そうだな。じゃあなんか作るか。」
ヤマトはズボンのポケットにブルースハープをしまうと、立ち上がって冷蔵庫を開けた。
太一は座ったまま、机に肘をついてヤマトの後ろ姿を見つめていた。
「…なにも出ないんじゃなかったか?)」
ホント、素直じゃないなぁ~と、声に出して笑ってしまいそうになる衝動を押さえた。
水が流れる。
すぐにトントンと何かを切る音も聞こえて来た。
きっと数分後にはおいしい匂いがしてくるのだろう。
「なぁ太一、味噌と醤油どっちが…―」
ヤマトは振り返り、そう言いかけてやめて料理に戻った。
太一は机に伏せてすぅすぅと眠っていた。
夢の中ではきっと…
fin
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