PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
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プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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雨…。
太一が憂鬱だなぁと思うものの一つ。
「ったく…なんで放課後に降ってくんだよ。」
とっくに上履きからスニーカーに履き替えている。
太一はもう一歩足を出せばそこはもう泥水の浮かんだグラウンドという所に立ち、暗い空を見上げていた。
はぁ。と大きなため息。
サッカー部も試合が終わって間もない事もあり、筋トレにはしなかった。
そんな太一を嘲笑うかの様に音を立てて降り続く雨。止む気配はゼロ…と見た。
もちろん、傘なんて持ってない。
「はぁ…」
再度、大きなため息。
「仕方ない、濡れて帰るかー」
よっ、と右肩に掛けていた鞄を背中に背負うと、駆け出し…
「待て」
「ぐぇっ」
太一の足が前に投げ出された瞬間、背中の鞄を引っ張られ、カエルが踏まれた様な声を出した。
危うくそのまま倒れるかと思う体を声の主が後ろで支える。
肩元で、揺れた金色の髪が視界に入った。
「ヤマト!」
振り替えれば、眉を潜めて佇む親友。そして俺の想い人。
「…濡れるだろ。」
ヤマトは小さく呟くと、手に持っていた折り畳み傘を太一に差し出した。
「…お前が持つなら、入れてやるよ。」
そう言って視線を逸らすのは嫌々ではなく、ただ照れているだけ。
…可愛いなぁ。
使い方を間違っている気もするけど、本当にそう思うのだから仕方がない。
「……もういい。」
太一が無言でニヤついている姿に本心を知られたと勘づいて傘を自分の方に引き寄せる。
「あっ、入るって!!一緒に帰ろうぜ♪」
ヤマトの手から傘を奪い取って、広げた。
二人で歩く帰り道。
雨の音が町の雑音を消し去って、傘の中は二人だけの空間。
―…雨も悪くない。
fin
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