PC閲覧推奨レイアース&デジモン二次創作小説blog。
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プロフィール
HN:
華乃都(かのと)
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1985/09/25
職業:
船医
自己紹介:
このサイトは『レイアース』『デジモン』をメインとする二次元小説サイトです。原作や作品の関連団体とは一切関係ありません。
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(アニメ設定)
ザァァァ
「懐かしいですね」
「ん?」
突然降って来た雨に、二人で久々にする散歩を中断して洞窟で雨宿りをしている。
きっとすぐ止むだろうと入り口の所で並んで空を見上げていたら雷まで鳴り始めた。
そんな今が、懐かしい、と風が隣りで言った。
「ウィンダムと心を交わした時みたいだなぁと思って」
『風の神殿』、そのふもとで合流した時の事を言っているという事に気が付いた。
「…そういえば、あの時も雨だったな」
セフィーロはほとんどの時期が常春の様だが、時々、こんな恵みの雨を降らせる。
これもまた、平和の印なのだ。
「あの時、久々に会えたのに、お前かなり機嫌悪かったっけ」
フェリオは苦笑いをして言った。
「あら、それは貴方に原因があるんですよ?」
風の視線が空から自分に移る。
「え?」
あっさりと、そう口にするフウに驚いてフェリオは彼女を見た。
「セラさんとご一緒に来られるから。」
いつも以上に、にっこりと笑うその顔は、それが本心からでないのをはっきり物語っている。
「…は?」
「私が見ず知らずの女性を抱えた貴方を見て、なんとも思わなかったとお思いなのですか?」
「…ふ、フウ?」
その瞳は真っ直ぐすぎて逆に怖い。
「夜中だって、お二人で仲良くお話されていましたし」
はぁ、とため息をついてフェリオから目線をそらすフウ。当時の事実に驚いて、聞き返してみる。
「お前…起きて…」
「あの状況で、眠れるはずがないじゃないですか」
あっという間に自分の言葉を遮って、あまりにも冷たく、怒っているとも感じとられるフウの言葉が、胸にグサグサと刺さる。
恐る恐るフウの横顔を覗いた。怒っているというより、むしろ少し悲しそうだった。フェリオはわけがわからず、自然と眉間にシワが寄る。
「ど、どうしたんだ?なんか変だぞ?」
「……」
すると、突然、俯いた風がフェリオの腕にそっと寄り掛かってきた。
「フウ?」
驚いたはずみで、彼女の名を呼ぶ。
「…私だけを見ていてほしいと望むのは…ワガママですか?」
突然の言葉にフェリオは目を見開いて驚く。
ふと、俯いた風を見ると、柔らかな金髪の隙間から顔が赤くなっているのがわかった。
フェリオは、なるほど、と小さく笑い、風を一度自分から離すと、向き合う様に体勢を替えて、彼女をぎゅっと抱き締めた。
「俺も、そう思ってるよ。」
え、と自分の腕の中で顔を上げる風に、すかさず唇を併せる。
「…お前の傍にいるヤツがずっと俺であってほしいと」
唇を離して、そう呟くと風の少し潤んだ瞳が自分を見上げる。
「…フェリオ…」
風はそう愛しい人の名を呼び、ぎゅっとフェリオの腰に腕を絡ませて顔をうずめた。
…ああ、なんて可愛らしい女性だろう…
フェリオは風の細い肩を両腕でしっかり抱き締めた。
そして、片方の手で彼女の頭をポンと優しく叩き、そっと頭を包み込む。
「大丈夫。俺はもう、お前以外、愛せないから…」
-遠くで雷が鳴る。雨はまだ、止みそうにない。
~fin~
「懐かしいですね」
「ん?」
突然降って来た雨に、二人で久々にする散歩を中断して洞窟で雨宿りをしている。
きっとすぐ止むだろうと入り口の所で並んで空を見上げていたら雷まで鳴り始めた。
そんな今が、懐かしい、と風が隣りで言った。
「ウィンダムと心を交わした時みたいだなぁと思って」
『風の神殿』、そのふもとで合流した時の事を言っているという事に気が付いた。
「…そういえば、あの時も雨だったな」
セフィーロはほとんどの時期が常春の様だが、時々、こんな恵みの雨を降らせる。
これもまた、平和の印なのだ。
「あの時、久々に会えたのに、お前かなり機嫌悪かったっけ」
フェリオは苦笑いをして言った。
「あら、それは貴方に原因があるんですよ?」
風の視線が空から自分に移る。
「え?」
あっさりと、そう口にするフウに驚いてフェリオは彼女を見た。
「セラさんとご一緒に来られるから。」
いつも以上に、にっこりと笑うその顔は、それが本心からでないのをはっきり物語っている。
「…は?」
「私が見ず知らずの女性を抱えた貴方を見て、なんとも思わなかったとお思いなのですか?」
「…ふ、フウ?」
その瞳は真っ直ぐすぎて逆に怖い。
「夜中だって、お二人で仲良くお話されていましたし」
はぁ、とため息をついてフェリオから目線をそらすフウ。当時の事実に驚いて、聞き返してみる。
「お前…起きて…」
「あの状況で、眠れるはずがないじゃないですか」
あっという間に自分の言葉を遮って、あまりにも冷たく、怒っているとも感じとられるフウの言葉が、胸にグサグサと刺さる。
恐る恐るフウの横顔を覗いた。怒っているというより、むしろ少し悲しそうだった。フェリオはわけがわからず、自然と眉間にシワが寄る。
「ど、どうしたんだ?なんか変だぞ?」
「……」
すると、突然、俯いた風がフェリオの腕にそっと寄り掛かってきた。
「フウ?」
驚いたはずみで、彼女の名を呼ぶ。
「…私だけを見ていてほしいと望むのは…ワガママですか?」
突然の言葉にフェリオは目を見開いて驚く。
ふと、俯いた風を見ると、柔らかな金髪の隙間から顔が赤くなっているのがわかった。
フェリオは、なるほど、と小さく笑い、風を一度自分から離すと、向き合う様に体勢を替えて、彼女をぎゅっと抱き締めた。
「俺も、そう思ってるよ。」
え、と自分の腕の中で顔を上げる風に、すかさず唇を併せる。
「…お前の傍にいるヤツがずっと俺であってほしいと」
唇を離して、そう呟くと風の少し潤んだ瞳が自分を見上げる。
「…フェリオ…」
風はそう愛しい人の名を呼び、ぎゅっとフェリオの腰に腕を絡ませて顔をうずめた。
…ああ、なんて可愛らしい女性だろう…
フェリオは風の細い肩を両腕でしっかり抱き締めた。
そして、片方の手で彼女の頭をポンと優しく叩き、そっと頭を包み込む。
「大丈夫。俺はもう、お前以外、愛せないから…」
-遠くで雷が鳴る。雨はまだ、止みそうにない。
~fin~
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